30年ともに歩んだロングセラーのお茶を語る

ルピシア デザイン ギャラリー Petit Musée(プティ ミュゼ)で、30年の歴史を振り返りながら、発売当時の思い出を語り合うスタッフ

ずっとずっと、おいしく

おかげさまで、発売時から今も変わらず人気のお茶があります。「ロングセラーの訳ってなんだろう?」
30周年を機会にあらためて人気の6商品をピックアップして、ロングセラー商品の魅力について語る茶話会を開きました。30年を振り返りながら、当時の開発ストーリーや店頭での逸話など、味わいだけでは語りきれない様々なエピソードをご紹介します。

5201 アールグレイ 

辿り着いた黄金比

開発スタッフ/ルピシアには「アールグレイ」だけでも8種類ありますが、中でも「5201 アールグレイ」は最もベーシック。世界三大銘茶・キームンをベースにした古典的フレーバードティーです。

ブレンダー/紅茶の定番中の定番として、世界中で様々な風味のアールグレイが作られていますが、ルピシアのアールグレイはベルガモットの香りのバランスに特にこだわっています。レモン系の爽やかさがあって、でも軽すぎず、ビターオレンジのように重すぎないというか。

開発スタッフ/ストレートでもミルクでも、気分によって飲み方を変えられる仕上がりなのも良い点だと思います。

販売スタッフ/継続して購入してくださるお客様がとりわけ多く、味や香りをしっかり覚えていて「ルピシアのアールグレイが一番好き」と言っていただけると嬉しくなります。

開発スタッフ/創業からずっとまじめに変わらず、昔ながらのレシピで作り続けていますし、何よりもベースであるキームンの茶葉そのものが持つおいしさを最優先していることが、お客様にストレートに伝わるのだと思います。

8231 白桃烏龍 極品

世界で一番愛されているお茶

開発スタッフ/2001年に東洋のお茶専門店「緑碧茶園」を立ち上げる際「新しいブランドの”顔“になる、プレミアムなお茶を」というコンセプトでした。

ブレンダー/「文山包種(ブンザンホウシュ)」という高級茶葉をベースに、茶葉で勝負するかトッピングが必要かと試作を重ね、トッピングはなしで商品化する予定でしたが、最終的にローズペタルを加えより華やかな印象になったと思います。

販売スタッフ/初めて飲んだお客様は驚きの声をあげることがほとんど。烏龍茶だと知ると、さらにびっくりする方も多いようです。

開発スタッフ/果汁の滴る柔らかな果肉にかぶりついたかのような、とろりと甘くみずみずしい桃の香り。その鮮烈な印象を追いかけるように喉を駆け降りてゆく、烏龍茶の爽やかで透明感のある味わいと、飲んだ後に包み込まれる心地よい余韻が他にはない特徴です。

販売スタッフ/発売以来、国内はもちろん、アメリカ、フランスなど各国のルピシアでも人気ナンバーワン。世界中の人々を魅了し続けています。今ではルピシアの顔と言っても過言ではありません。

ブレンダー/誰もが魅了される味わいをぜひこれからも楽しんでいただきたいです。

8506 トキオ

先駆的な緑茶フレーバード

開発スタッフ/革新的だったのは、日本の緑茶に、単純な果実のフレーバーではない、香りをつけた点にあります。

販売スタッフ/前例のなかったことに挑戦したわけですから、その意気込みを「TOKIO=東京」というネーミングに込めた、と聞いています。

開発スタッフ/「トキオ」は、1990年代に日本が世界的な食文化の中心になったこと、その首都である東京から発信するお茶ブランドの象徴として名付けられたものです。当時、先駆的であった日本の緑茶がベースの、果実と花が香る味わいは話題を呼びました。

ブレンダー/今でこそ緑茶100%のフレーバードティーは数多くありますが、実は「トキオ」には、紅茶が絶妙にブレンドされているのです。だからこそ味に深みがあり、他にはない味わいと香りのバランスが取れているのだと思います。

販売スタッフ/入社して最初に飲んだのが「トキオ」です。勤務初日、店長に「お昼何食べるの?」と聞かれ「おにぎり」と答えたら「じゃあトキオをいれてあげる」と。生まれて初めて緑茶のフレーバードティーを飲んで、こんなお茶が世の中にあるのか!と衝撃だったのと同時に、あらためて自分が入った会社の大変さに気づいてしまった(笑)忘れられない思い出のお茶ですね。

5126 テ・オ・レ

ミルクティー好きのための一品

開発スタッフ/最高においしいミルクティーを作りたい! その一点にとことんこだわって開発されたのが「テ・オ・レ」です。

ブレンダー/2014年には、レシピをゼロから見直してリニューアル。深く濃厚なコクと甘みを徹底的に追求した新しいブレンドに生まれ変わりました。

販売スタッフ/ミルクティー好きが多いからこそ、社内でも試行錯誤を繰り返して、今の味わいがあるように思います。

開発スタッフ/ミルクティーが大好き!という方に満足いただけるよう、改良を重ね、甘くて濃い、でも渋すぎない絶妙な味わいに仕上げています。アッサム紅茶を100%使用し、深いコクと甘み、ミルクとの相性を追求した、ミルクティー好きのための一推しブレンドです。

販売スタッフ/とことんミルクティーが好きな方にぴったりのお茶だと思います。ホットで良し、アイスミルクティーも良し、チャイのベースにしても良し。

開発スタッフ/通常の2倍の茶葉で濃くいれた紅茶に、人肌に温めたミルクを同量注いで味わえば、紅茶とミルクが一体となったまろやかな甘みに、何とも言えない満足感が広がります。初めて試飲した際、スタッフ一同から、思わず「お〜!」と感動の声が上がったのを、昨日のことのように覚えています。

5509 グレナダ

お茶なのに、トロピカル!

開発スタッフ/お茶にドライフルーツをトッピングするということが珍しかったので、トロピカル系のお茶として先駆的な存在です。

工場スタッフ/茶葉にドライフルーツがくっついて、なかなか苦労しました(笑)。

販売スタッフ/当時は、店頭カウンターで量り売りをしていたのですが、計量後にお客様の方を振り向くのが怖いくらい大勢のお客様が並ばれていました。その後、缶入りも発売され、ギフトにはまず「グレナダ」をおすすめしていました。

販売スタッフ/木箱の蓋を開けた途端にグアバの香りがふわっとお店の中に広がるので、買い物中の他のお客様から「それなんですか? それください!」って、連鎖していったことを覚えています。

販売スタッフ/「グレナダ」が好きなお客様の中でも、特に通信販売で購入される方は、「グレナダ」ひと筋の方がすごく多いです。店舗にもこれ一点指名買いで来られる方もいて、長年好きでいてくださる方の多いアイテムだと思います。

販売スタッフ/当時は通信販売も手詰めで、袋の商品名も手書きだったので、電話注文を受けた翌日の袋詰めの時、どれだけ「グレナダ」と書いたことか! その時の感覚が今も残っているという、わたしにとっても特別なアイテムです。

9202 ピッコロ

子どもたちに人気という幸せ

開発スタッフ/2006年に新たなウェルネスのカテゴリーとして、麦茶のように家族みんなで楽しめるようなお茶を作ろうと、当時はまだ珍しいルイボスベースのフレーバードティーを作りました。

開発スタッフ/ノンカフェインでお子様にもおすすめできるお茶だからこそ、より多くの方に召し上がっていただけるようにと。

デザイナー/「お子様にも」というキーワードから、イタリア語で小さいという意味の「ピッコロ」に。新発売時のラベル缶は子どものイラストで、キャッチコピーは「大人も子どももゴクゴク飲めます」でした。

販売スタッフ/親子で来店された際にお子さんが自分で「ピッコロください」って、注文をしてくれる商品で、その度にほっこりさせてもらってます。

販売スタッフ/ある時、マリーゴールドが妊婦さんに禁忌のハーブということで、お客様から「トッピングを抜いたものが欲しい」というお声をいただき、その場でマリーゴールドを取り除き、個別にご対応したこともありました。

ブレンダー/その一件から、トッピングがない方が良いとか、あってこそのピッコロだとか色々意見がありましたが、結果的にお客様の声を反映してマリーゴールドから黄色のあられに変更したのが2019年です。

壁面いっぱいに並べられた、会報誌やパッケージデザインの数々を見ながら。思い出話にもつい熱が入る。

30周年を迎えて一新した制服を、笑顔で着こなす販売スタッフ

今回、茶話会の会場となった「プティ ミュゼ」はルピシアの30年の歴史とデザインが詰まった小さな美術館。
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