特集「もっともっと、おもしろく ルピシア30周年」

1994年、わたしたちは、本当においしいお茶をお届けするために「レピシエ」をつくりました。

あれから30年の月日が流れましたが、今も変わらず、食生活をおいしく楽しくすることばかり考えています。もっともっと、おもしろいことを探して。「ルピシア」の旅は、これからもずっと続いていきます。


お茶ルネサンス「レピシエ」

きっかけは1980年代のパリでした。かつて日本では、紅茶と言えば英国式。喫茶店でお茶を頼んでも、「ミルクにしますか、レモンにしますか」と聞かれる程度でした。しかし当時のフランスやヨーロッパの一部地域では、世界各地の茶園から集めた産地別の紅茶や緑茶、まだ珍しかった中国の烏龍茶や黒茶・白茶を、同列に扱う風潮が始まっていました。チャの木から生まれる様々なお茶を、ブドウから生まれるワインのように楽しんでいたのです。

当時フランスに滞在していたルピシアの創業メンバーは、お茶で、食の楽しみが無限に広げられる! と直感しました。ここから「すべてのお茶は同じチャの木から」をコンセプトに、日本発のお茶専門店を目指す旅が始まりました。

お茶にはまったくの素人でしたが、よく調べてみると、例えばダージリンは、茶園ごと、収穫期ごと、茶葉のグレードごとに出荷され、驚くほど多彩な風味が楽しめることや、その希少性に驚きました。当時はこの貴重なダージリン茶葉を数%ブレンドしただけで、「ダージリン紅茶」として堂々と売られていたのです。

本物のダージリンの味わいを楽しんでもらおう! 季節や産地の情報を正直に公開しよう! 知られざる豊かなお茶の世界を広めよう! こうして、世界各地のお茶産地・茶園を巡り、直接仕入れの交渉を重ね、ついに1995年、東京・千駄ヶ谷に、フランス語で「食料品店」を意味する「レピシエ」1号店が誕生したのです。これまでのお茶の世界を変える「お茶ルネサンス」の始まりです。産地直送による「フレッシュ&リーズナブル」を掲げ、今に
つながる次のような特徴を備えたユニークな専門店でした。

レピシエ1号店のエントランス

❶産地・茶園・収穫期まで特定した直輸入の紅茶

世界の主要産地の、茶園名・収穫期までが特定された、直輸入のお茶がずらり。紅茶と言えばブレンドティーだったそれまでの常識をくつがえす品揃えで、お茶好きに大きなインパクトを与えました。

❷多彩なブレンドティー・フレーバードティー

産地別・テーマ別のオリジナルブレンドや、花びらやドライフルーツ、ハーブ・スパイスなどが入った、ヨーロッパのものとはひと味違う繊細な香りのフレーバードティーも、多くの支持をいただきました。

❸約200アイテムの茶葉を木箱から量り売り

インドやセイロンなどの茶園から運ばれてくる荷姿を模した茶箱を、カウンターバックの棚にずらりと並べ、その中に入った茶葉を、それまでなかった買いやすい50g から量り売りしました。

写真:レピシエ1号店。180種のお茶は木箱に入れて並べられ、注文ごとに量り売りで提供された。

❹品名ラベルつき丸缶とお茶袋

パッケージも「フレッシュ&リーズナブル」のために。今も変わらない品名ラベルつき丸缶は、産地から送られてくるお茶サンプル缶を模したもの。シンプルなお茶袋も同様で、ともに手書きで品名を記入していました。

❺サンプル&試飲カウンター

窓あきの丸缶ですべての茶葉を手に取り、目で見て、香りを嗅いで確かめられるサンプルカウンターと、お茶の試飲ができるテイスティングカウンター。いずれも創業時からの大きな特徴です。

❻会報誌「おたより」でお茶のおもしろさを拡散

会員様には毎月、ポット1杯分のお試しのお茶を同封した『レピシエだより』をお届けしました。お茶のおもしろさをお客様と共有するために、現在の『おたより。』まで続けています。お茶に関する様々な情報や物語、生活の中でのペアリング、お酒とお茶、ミルクとお茶など、スタッフが興味を持ったことをお客様と同じ目線でご案内してきました。

レピシエ1号店では、ティーサロンの併設やティーパーティー・紅茶教室の開催を通じて、お茶のおもしろさを共有できるお客様を増やすとともに、全国に店舗も増やしていきました。また、紅茶に興味を示す外食産業などに向けたお茶の開発も積極的に行っていました。

1995年7月に発行された『レピシエだより』の記念すべき第1号(Vol.1)

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