スリランカ・季節風と標高がもたらす個性

狭い国土でありながら、地形は起伏に富んでいるスリランカ。島の中央部に広がる山岳地帯に年2 回吹き付けるモンスーンと呼ばれる季節風と、地域ごとに異なる標高差がセイロンティーの多彩な個性を生み出しています。

ヌワラエリヤ(ハイグロウン)

1885 年創立。19 世紀からの紅茶製造を今に伝えるヌワラエリヤのペドロファクトリー

英国統治時代の別荘や競馬場などが立ち並ぶ標高2,000m前後の高原リゾート地。野生のミントやイトスギのような、青みがかった爽やかな余韻と明るいオレンジ色に輝く水色が特徴のハイグロウン産地です。紅茶のシャンパンと称される爽やかな風味はアイスティーにも最適。

ウバ(ハイグロウン)

1919 年設立、標高1,250m に位置するウバ・ハイランズは、世界的にも人気の高いスリランカ屈指の名園として知られている

標高900〜1,500mの丘陵地帯に広がるハイグロウン産地。力強い味わいと爽やかな香気が特徴。日本ではインド・ダージリン、中国・祁門(キームン)と並ぶ、世界三大銘茶の一つとして知られています。特に冷たく乾燥した季節風が茶園に吹く7〜8月頃に風味が凝縮するクオリティーシーズンの紅茶は、清涼感あるキレ味、ガツンと力強い渋み、南国の果実を連想させる豊かな余韻が調和する個性派で、世界中の愛好家に支持されています。

ウダプッセラワ(ハイグロウン)

豊かな自然に囲まれた山岳地帯に茶園が広がる

スリランカ中央山脈東側に位置し、キャンディ地区とウバ地区に挟まれ、ヌワラエリヤ茶園エリアに隣接する標高950 〜1,600 mのハイグロウン産地。野生のヒョウや希少な動植物が生息する自然保護区の原生林に囲まれた茶園は、夏の南西モンスーン、冬の北東モンスーン系の双方に影響を受けることで知られており、ブーケを思わせる花香や、深みと落ち着きのあるミディアムボディの紅茶を生産します。

ディンブーラ(ハイグロウン / ミディアムグロウン)

19 世紀からお茶の栽培が続けられているディンブーラは、山と湖に囲まれた景勝地。庭園のように手入れされた美しい茶園が広がっている

島の西斜面に広がる、セイロン最古のお茶産地の一つ。美しい山岳風景や水に恵まれた、主にハイグロウンに位置する主要産地です。バラ色やオレンジ色に輝く水色、甘い香りと清涼感ある後味が魅力的。深みのある爽やかな味わいはアイスティーやアイスミルクティーにもおすすめ。

キャンディ(ミディアムグロウン)

スリランカ中央部の盆地に広がるキャンディは、シンハラ王朝の最後の都として栄えた、ユネスコ世界遺産にも登録される古都

古い寺院が湖畔に立ち並ぶ世界遺産の古都・キャンディは、標高650〜1,300mに広がるミディアムグロウンを代表する名産地。島で初めて茶樹が植えられた土地としても有名です。クラシックなオーソドックス製法から現代的なCTCまで製造される紅茶は、安定した品質とリーズナブルな価格を兼ね備えたセイロン紅茶の優等生。ティーカクテルなどアレンジティーのベースや、アイスミルクティーにおすすめ。

ルフナ(ローグロウン)

バナナやヤシの木をシェードツリーとする、スリランカ南部海抜200 mのジャングルに広がるルフナの茶園(デラワ地区)

ルフナは現地語で「南」を意味する、島の南部エリアの総称。ハンドメイドによる伝統的製法の高級品からミルクティー向けのCTCまで製造される、中近東やヨーロッパを中心に世界的に需要の高い紅茶産地。アッサム種を中心とした茶葉は、渋みが比較的少なく、飲み口は穏やかで洗練された味わい。ミルクティー向けの紅茶産地としても人気です。

サバラガムワ(ローグロウン)

島の名産である、宝石が採取できるエリアとしても有名なサバラガムワ

2000年代以降にルフナから分割された紅茶生産区分としては新しい名称です。セイロン最大の紅茶生産地区として知られるサバラガムワは、スリランカ中央山脈南西側、ルフナの北東に隣接するローグロウン産地。標高610m未満の丘陵地帯で育まれる紅茶は、赤みがかった濃い黄褐色のカップの色合い、キャラメルのような香りの余韻と、どこか優美な気品があります。

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