スコーンにまつわる、あんな話、こんな話。

知っているようで意外に知らないスコーンのこと。スコーンがもっと好きになる話題をお届けします。

神聖なる?その名の由来。

スコーン(SCONE)の名前の由来には諸説ありますが、一番有名なのが運命の石「Stone of Scone」(スクーンの石)説。スコットランドの古都・パースのスクーン(SCONE)城にあった運命の石は、歴代国王の戴冠式で用いられた神聖なもの。スコットランド発祥のスコーンだけに、この石がモチーフになったと伝えられています。

ところで、この運命の石は1296年、イングランドに奪われ、ウェストミンスター寺院の王座にはめ込まれ、今度は英国国王の戴冠式で欠かせない存在になりました。その後、1996年にスコットランドに返還。現在はエディンバラ城に収蔵されています。

スコーンには「口」がある?!

スコーンを焼くと現れるのが、通称「オオカミの口(Wolf’s Mouth)」。生地が膨らむ時にスコーンの側面にできる割れ目のことです。オオカミの口とはよく言ったもので、確かに牙が生えているように見えます。ただし、材料やその割合、作り方によってオオカミの口が大きく開いたり、小さかったり、できない場合もあります。スコーンに様々な表情を作るオオカミの口ですが、そのおいしさに変わりはありません。

おいしさを左右するリベイクのコツ。

スコーンをよりおいしくいただくために、ルピシアおすすめのリベイク方法をご紹介します。

①上下2つに割り、電子レンジで10〜20秒温めます。
②オーブントースターで30秒〜1分温めます。
加熱時間は、ご使用の機種やお好みにより調整してください。

なお冷凍したスコーンは、常温で自然解凍し、この手順でリベイクするのがおすすめです。

スコーンのテーブルマナーは?

スコーンはオオカミの口から手で半分に割ります。ひと口大にしてから、クロテッドクリームやジャムをのせて味わうと、スコーンをボロボロとこぼさずにスマートに食べられます。アフタヌーンティーの場合は、お皿にスコーンはもちろん、クロテッドクリームやジャムを一度取り分けるのがマナーといわれています。その後の手順は同じです。

また、スコーンを半分にする際、ナイフを使うとマナー違反になるという意見も。名前の由来でも紹介した神聖な運命の石がモチーフなので、ナイフを入れることを避ける……という考えがあるようです。

ジャムが先か?クリームが先か?

スコーンに欠かせないクロテッドクリームとジャム。どちらを先に塗るのが正解か、クロテッドクリームの二大産地では尽きない議論が繰り返されています。イギリス・デヴォン州では、クロテッドクリームが先で、その上にジャムをのせる「デヴォン式」。一方のイギリス・コーンウォール州では、ジャムが先でクロテッドクリームが後の「コーンウォール式」。

食べ比べてみると、クリームが後のコーンウォール式は、よりクリーミーな印象がありました。それぞれ味の感じ方が異なるので、両方試して好みを見つけるのがおすすめです。

アフタヌーンティーとクリームティー。

「アフタヌーンティー」は1840年代の初期、ベッドフォード公爵夫人のアンナ・マリアによって始められたといわれています。当時の貴族の食生活は朝食と遅めの夕食の2食。その間に空腹を抑えるため、軽食やお菓子と紅茶を楽しむ習慣がお茶会に発展。ちなみに、アフタヌーンティーにスコーンが登場するのは、20世紀に入ってからといわれています。

一方、イギリスには「クリームティー」の文化も根付いています。クリームを入れたお茶のことではなく、スコーンとクロテッドクリーム、ジャム、紅茶のセットメニューのこと。アフタヌーンティーよりも気軽にスコーンを楽しめるため、最近は日本でもメニュー化するティールームが増えています。