
※ルピシアの「桜のお茶」は春限定商品です。
ルピシアの春の代名詞「桜のお茶」が今年も開花しました。
春が来る期待感を高めてくれる、華やかな桜の香りは大島桜の葉によるものです。大島桜がどのようにして育まれ、「桜のお茶」が生まれるのかをご紹介します。

桜の便りは南伊豆から
「桜のお茶」に欠かせない桜葉は、静岡県・伊豆半島の最南端である石廊崎(いろうざき)から車で20分ほどのところで作られています。「この辺りは温暖で霜が降りないため、大島桜の栽培に適しています」と話すのは、この地で70年に渡り、桜葉の塩漬けなどの製造を行う外岡商店の外岡ひとみさん。
大島桜はその名の通り、伊豆大島をはじめとする伊豆諸島や伊豆半島が原産の桜で、日本の固有種の一つ。潮風に強く、成長が早いのが特徴です。そしてもう一つ、他の品種の桜よりも香りが強いことから、古くから桜餅の葉に使われてきました。
「桜のお茶」シリーズで使用している桜葉は、桜餅の葉と同じく塩漬けにして、その後乾燥させたもの。「サクラ」「サクラ・ヴェール」に代表される、甘く上品な桜の香りとほんのり優しい塩味は、この塩漬けの桜葉を使用しているためです。「桜特有のあの香りは、クマリンという香り成分によるもの。塩漬けにすることで初めて醸し出される香りなんです。心がほぐれるようなリラックスできる香りですよね」と外岡さんは言います。

桜葉の栽培から収穫まで
2月現在の大島桜はというと、畑に植えられている樹齢5年~60年の桜の木がすべて膝丈くらいの高さに切りそろえられています。毎年、冬になると剪定し、5月~8月の収穫期には高さ2メートルほどまで成長します。これは、葉をすべて手摘みで一枚ずつ大切に収穫するため、作業しやすい高さにしているのです。5月~6月の最盛期には、1日60キロほどの葉を収穫することもあるとか。それがすべて手作業によるものとは驚きです。
「桜のお茶」シリーズで使用している桜葉は、無農薬で栽培されています。そのため、草を取り、肥料を与えるという一連の作業を収穫期まで何度も何度も繰り返します。無農薬のおいしい桜葉をねらうアブラムシや蛾などの害虫、そして最近は、イノシシやシカによる食害なども深刻です。桜葉を無事に収穫するまでにはいくつもの敵から桜を守らなければならないのです。


桜葉の塩漬けができるまで
桜葉が15センチほどになったら収穫です。収穫した葉を一晩水に浸し、洗浄した後、徳島・鳴門産の塩と発色をよくするためのミョウバンを入れて樽に漬け込みます。「収穫する時期によって葉の硬さが違うので、塩分の濃度を変えなければなりません。職人の長年の勘が頼りです」と外岡さんは話します。
漬け込んだ後は、塩分やpHを計ったり、蒸発を防ぐために塩水を足したり、3か月に渡って桜葉を見守ります。艶やかなべっこう色に漬け上がったらできあがり。
その後、乾燥させて粗く砕いた桜葉が、厳選した紅茶や緑茶、ルイボスと出会い、「桜のお茶」が完成するのです。


たくさんの人の手を経て、時間をかけて作られる桜葉が生み出す、甘く心地よい香り。大島桜のふるさとに思いを馳せながら「桜のお茶」をいただくと、より一層、春が待ち遠しくなりそうです。

「桜香るティータイムvol.2」では、桜のお茶とお菓子のペアリングをご紹介します。
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