クリスマスや年末年始、大切な方へのギフト選びのヒントに、十国十色な海外のギフト事情をのぞいてみましょう。
自分のお気に入りやおすすめをシェア
ギフト選びの難しさといえば、相手の欲しいものや好みを深く考えすぎて、なかなか決められないことではないでしょうか。相手の好みに合わせて贈ろうとする日本と、正反対の考え方を持つのがフランスです。自分のセンスやこだわりに対する自信が強いため、ギフト選びの基準になるのは自分自身が好きかどうか。お気に入りのブランドの雑貨や食べ物を、相手にもぜひ知ってほしいという思いでプレゼントを贈ります。
洗練されたイメージのフランスらしい文化ですが、自分も欲しいと思えるぐらい好きなものなら、自信を持って相手にも贈れそうです。ギフトを通じてお互いの好きなものをシェアできるなんて、素敵な価値観ですよね。
心の込もったカードを添えて
何をギフトに選ぶか、ということよりもどんな気持ちで贈るか、を大事にしているのがイギリスです。「言葉を贈る」文化を大事にしているイギリスでは、普段から家族や友人、仕事仲間とグリーティングカードを贈り合う習慣があり、ギフトにも必ずと言っていいほど手紙を添えます。ギフトだけでももちろん嬉しいですが、思いやりの込もったメッセージが添えられていれば、より心が温まりますよね。手書きなら尚更です。
人と人とのつながりが、より大事に感じられる今こそ「お元気ですか」「いつもありがとう」のひと言を添えて、大切な方にギフトを贈ってみてはいかがでしょう。
非日常的な体験でときめきを贈る
台湾など中華圏は、世界で見るとギフトにかける金額が高い傾向にあります。それは、ギフトで非日常的な体験を楽しんでもらいたいと考えている方が多いからのようです。例えば、普段の生活で馴染み深いものよりも、奮発して買うようなワンランク上の食べ物や、海外でしか買えないような手に入りづらいものなど。いつもと違う少し贅沢な時間を過ごしてもらえるかどうかが、ギフト選びのポイントになります。
選んだり用意したりする時間や手間がかかることもありますが、その分、もらう人にとっては喜びもひとしお。贈る側に力が入ってしまうのも頷けます。何より、相手に喜んでほしいという純粋な思いやりを感じられるのが一番嬉しいですよね。
迷ってしまったら事前にリサーチ
ギフト選びに頭を抱えてしまう方は、相手を喜ばせたいという思いが強い、きっと優しい人。たまには思いきって、欲しいものは何か、相手に聞いてみるのはいかがでしょうか。
ホームパーティー文化の根強いアメリカでは、手土産を持ち寄って集まるなど、日常的にギフトを贈り合っています。特に、結婚や出産など特別なお祝い事の際には、受け取る人が欲しいものをリスト化し、贈る人はそこから選ぶスタイルが定着しています。かなり合理的なシステムですが、案外これから日本でも主流になるかもしれません。
思いやりの形はひとつではない
海外の文化を研究していると、日本のギフトマナーの細やかさや複雑さをあらためて実感します。選び方で困っている方も多いことでしょう。しかし、海外でも国や地域ごとに様々な文化や価値観がありますが、いずれも共通しているのは、相手に対する敬意や、素敵な時間を過ごしてほしいという思いやりです。ギフト選びに本当に大事なことは、それだけなのです。ギフトを贈ることは、お互いの心を通わせることができる機会なので、もっと自由に自分らしく楽しんでいただけたらいいなと思っています。
監修:石橋 眞知子さん
シカゴ、ノースウェスタン大学日本語教師を経て、オックスフォード大学にて勉学。現在は、異文化コミュニケーションを中心とした「マナー・接遇」教育の第一人者として活躍中。
お茶でほっこり 忘れられないギフト
海外在住のルピシアスタッフに、心に残っているギフトエピソードを聞きました。
マリアージュのおすそわけ
一組のカップルが結婚式の招待客へのギフトに、日本茶を選んでいました。もともと日本の文化が好きで、フランス料理とのマリアージュをみんなにも楽しんでほしいと思ったそうです。晴れの舞台の幸せを分かち合うひと時に、お茶を選んでもらえたことが嬉しくて、とても印象に残っています。
海を越えて届くなつかしい味
台湾からドイツに移り住んでいる友人のために、台湾烏龍茶とブック オブ ティーを贈りました。紅茶文化が広がるドイツでは、おいしい台湾烏龍茶になかなか出会えないので、本当に喜んでくれました。コロナ禍で気持ちがふさぎ込みがちな時にギフトが届くと、それだけで心が晴れますよね。
ルピシアのデジタルギフト
世界のお茶専門店 ルピシアのオンラインストアで利用できるギフト券にメッセージを添えて贈ることのできるサービスです。メールやSNSで住所を知らない相手にも気軽にギフトを贈れます。