暮らし方に大きな変化が起きている今、何気ない時間の大切さを改めて実感した方も多いのではないでしょうか?
今月は、ルピシアスタッフが暮らしの中で見つけた「とっておき」のお茶のエピソードをご紹介します。
切り替えとリラックス
仕事や勉強を始める前、必ずお茶を飲むようにしています。特にすっきりとした味わいの紅茶をストレートで飲むことが多いです。開発部で行っている仕事の一つに、お茶の買い付けがあります。旬の時期には1日で100種類以上のお茶をテイスティングすることもあります。ただ、自分の中のスイッチを入れるためのお茶は毎日同じものを飲むようにしています。いつも変わらない味で「今から頑張るぞ」とシャキッとした気持ちにしてくれます。最近では自宅で仕事をすることも増えて、プライベートと仕事の切り替えを「お茶時間」が担ってくれています。
また、仕事などの合間に休憩したいときには、旬のダージリンなど香りが魅力の紅茶を飲んでいます。ひと息つきたいときに飲むお茶は、毎日違う種類を選ぶことが多いです。芳醇な香りや、お茶をじっくりといれる時間は気持ちをリラックスさせてくれます。気持ちを切り替えたいときやリラックスしたいときなど、シーンに応じて生活を豊かに支えてくれることがお茶の魅力の一つだと思います。
雨音を楽しむ一杯
私のとっておきは、雨の日に丁寧にいれるお茶の時間です。テレビやラジオなど音の鳴るものは全て消すと、お茶を注ぐ音と雨音だけが部屋に響きます。5年ほど前、せっかくの休日なのに雨が降っていて「特にやることがないなー」と何となくお茶をいれたのがきっかけでした。お茶をいれることだけに集中し、いれたてのお茶から漂う湯気や香りを感じます。雨音だけに耳を傾け、ゆっくりと過ごす時間はいろいろな感覚が澄んでいくように思いました。
お店で働いていると、決まった休みがない時もあり、日々が忙(せわ)しなく過ぎていくこともありました。2020年はお店の休業期間があり、家で過ごす時間も増えました。そんな時に何も考えずにただじっくりとお茶をいれてみたことで、ゆっくりと立ち止まる時間の大切さを改めて実感できました。
最近のお気に入りは台湾烏龍茶です。お湯を注ぐたびに、少しずつ茶葉がほどけていく様子を眺めながら、何煎もゆっくりと楽しめるので、雨の日にもぴったりです。
平日の夜を特別に
仕事終わりの夜、疲れ切った体を癒やすためにミルクティーを作ります。茶葉の量を2倍使用した「濃いめのミルクティー」がお気に入りです。浸出時間を少し長めにして、たっぷりのミルクを入れて濃厚なコクを楽しんでいます。お砂糖は少なめにすることで優しい甘さが体にじんわりと広がり、幸せな気持ちになれます。
普段は開発部のブレンダーとして「お客様がそのお茶をお召し上がりになるシーン」を考えながら、日々いろいろな商品の開発に携わっています。家に帰ってからは、その日の自分の気分に合わせて「気まぐれブレンド」を作ります。例えば、一緒に食べるお菓子などに合わせて、自分の好きな味わいを求めて相性の良い茶葉やスパイスを組み合わせるなど、仕事の時にはなかなか試せない斬新なブレンドに挑戦することもあります(笑)。
また、旅行に行ったり写真を撮ったりすることも好きです。自由に出かけられない今は、お茶を飲みながら世界各国の美しい風景が載っている雑誌を片手に思いをはせ、ちょっとした旅気分を楽しんだりしています。
ドライブのお供に
車の運転が好きで、よくドライブに出かけるのですが、その時のお供は家でいれたお茶を持っていきます。遠出の時はシャキッと冴える緑茶を、肌寒い日には濃厚ミルクティーなど、行き先や気分、気候に合わせて選ぶのも楽しみです。道中の道の駅などでその土地のお菓子を買ってお茶と楽しんだりするのも至福のひとときです。
お気に入りのドライブ先は、北海道旭川市内から車で30分ほどの「就実(しゅうじつ)の丘」です。美しい丘陵や旭川空港、大雪山連峰などが望め、変化に富んだ風景が見られます。季節ごとの移ろいを感じることもできます。景色をひと通り堪能したらひと休み。誰もいない広々とした場所に車を止めます。タンブラーにいれたお気に入りのお茶で一服。いつも飲んでいるお茶なのに、なんだか贅沢な気分になれます。お客様に安心してお買い物してもらいたいからこそ、気を張る時間も増えました。そうした日常の中だから、特別なことは何もしていなくても、自分のためにいれたおいしいお茶を飲んでリラックスする時間が幸せに感じられるのかもしれません。